1-1 就職活動
- Travel to Face
- 5月29日
- 読了時間: 3分
更新日:10月5日
やりたい職業も行きたい会社も無く、しかし就職活動はしなければいけないので旅行会社の採用試験を受けることにしました。理由は「私は旅行が好きだ」です。

大手はきっと無理なので中堅の旅行会社を幾つか調べました。中堅でもみんな立派な会社です。
私なんかを採用してくれるのだろうか。
人生の夢と希望はどこにあるのだろうか。
疲れた頭で採用情報のページをめっくっているとふと手が止まりました。
「面接日:採用期間中いつでも可」
「面接時間:10:00~15:00」
西浅草にある小さな旅行会社です。
「いつでも可」なんて、面接試験を受けに来る人が殆どいないのだろうか。
筆記試験の案内はありません。
ホームページに載る社長さんの写真は、どこか懐かしく、「ずっと昔から、そしてこれからもずっと楽しい」と言っているようでした。
大型イベントホールで行われた旅行業界の関連会社が集まる会社説明会にも行きました。
各ブースで説明をしてくれるお兄さん、お姉さんは、私とそんなに年齢が離れていないように見えますが、スーツに身を包んだその姿は凜々しく、そして流れるような動きで訪れる学生に対応しています。
何年か後に私も同じことができているのだろうか
集めた資料で意味も無く重たいリュックに気持ちも重くなり会場を後にしました。
あまり悩むこともなく、中堅の旅行会社3社を選び採用試験を受けることにしました。
ダメ元で大手一社を受験する選択肢もありましたが、ありもしない入社とその後の社会人生活への妄想に耐えられず、近づくことをやめました。
知らない人達に評価される日々の始まりなのかな
そんなことを考えながら、3社の採用試験の日程を書き込んだカレンダー眺めていると西浅草の旅行会社の社長さんの顔が頭に浮かびました。
社長さんに会って毎日が楽しいのか聞いてみよう。
社長さんに会えるかどうかも分らないのにすぐに西浅草の旅行会社にメールで面接試験の申込をしました。
確か従業員3名の会社だから行けばきっと会える。
面接試験は、私の都合で日曜日を希望しました。
ちなみに土曜日と日曜日は西浅草の旅行会社の定休日です。
社会人として相手への気遣いが足りないと思われるかもしれない。
パソコンの前でメールを送った後の余韻に浸っていると表題が「お待ちしています」のメールが画面に現れました。
これからの手続きなどが書かれた西浅草の旅行会社からの返信メールです。
私の人生で記念すべき最初の採用面接が決まりました。




旅行会社を始めた社長が初めて書いた物語です。これから皆さんに楽しんでもらえるように頑張ります!